2020年05月11日

ラマダン折り返し点 中東諸国コロナで明暗くっきり

日の出から日没まで飲食が禁じられるイスラム教のラマダン(断食月)が折り返し点を迎え、
中東諸国では新型コロナウイルスの感染封じ込めをめぐり明暗が分かれている。
感染者や死者が増えている国では、正しい知識の普及の遅れや「自粛疲れ」で濃厚接触の機会が増えている可能性がある。
一方、外出制限は反政府デモや犯罪の減少をもたらすなど、各国の政治や社会にも影響を及ぼしている。

多くの中東諸国では今年のラマダンは4月24日から5月23日まで。
日没後の夕食の買い出しなどのため1年で最も消費が多い時期に当たり、
多くの国がラマダン入りの前に夜間の外出禁止の開始時刻を遅らせるなど、制限を緩和した。

夜間の外出制限を一部緩和したエジプトでは今月8日、1日当たりの新たな感染者数が495人と最多を記録。
ラマダン前の先月中旬、3千人台前半だった感染者の総数は約8500人に跳ね上がり、死者の総数も500人台に乗った。
首都カイロ市街では日中、素手で握手したりマスクを外してほおを寄せ合ったりする人々の姿がいまもみられる。
カイロに住む主婦(30)は「夜間の外出禁止を逆手に取り、夜通し知人や友人の家で過ごして朝になってから帰宅する人もいる。
皆、感染が拡大した当初よりも気が緩んでおり、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の必要性も十分に理解されていない」と話した。
エジプト政府当局者は先月末、「ワクチンができるまで新型コロナと共存せざるを得ない」とし、半月ごとに情勢に応じて措置を見直す方針を示した。だが、民衆に発言の真意が伝わっているかは不透明だ。

一方、ヨルダンでは新たな感染者ゼロの日が1週間以上続き、政府当局者は今月5日、
「爆発的な感染拡大は封じ込めた」と宣言した。死者は8日現在、世界保健機関(WHO)の集計で9人にとどまる。
3月上旬に感染が拡大し始めたヨルダンは同月中旬以降、海外との航空便の運航停止や学校、
商業施設などの閉鎖といった措置を早々に講じてきた。

サウジアラビア資本の汎アラブ紙アッシャルクルアウサトによると、
スーダンやアルジェリアなどでは感染拡大前に起きていた反政府デモが外出制限のため影を潜めた。
トルコやイスラエル、パレスチナでは殺人や窃盗などの犯罪が激減した半面、家族の巣ごもりの時間が増えて家庭内暴力(DV)が急増し、
虐待に関する女性からの通報が増えているという。

2020/5/10産経新聞
posted by security-taisaku at 09:20| Comment(0) | コロナウイルス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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